宇都宮城(うつのみやじょう)
~現代に甦った関東七名城~
Parameters of
this castle
関東七名城の一つに数えられる宇都宮城の歴史は、平安時代までさかのぼるといわれています。当初は城というより館であったようです。
鎌倉時代以降、およそ500年ものあいだ宇都宮一帯を支配してきたのは宇都宮氏でした。中世の宇都宮は、京都・鎌倉とともに日本三大歌壇と呼ばれるほど和歌が盛んな土地であったといいます。
戦国時代には上杉氏、武田氏、小田原北条氏らに攻め込まれましたが、常陸の佐竹氏、下総の結城氏らと婚姻関係を結びこれに抗しました。天正13年(1585年)頃には小田原北条氏の侵攻に対抗すべく、当時の城主 宇都宮国綱うつのみやくにつなは本拠を宇都宮城から多気城たげじょうに移しています。
天正18年(1590年)、豊臣秀吉が天下統一を成し遂げて行われた宇都宮仕置ではその舞台となり、宇都宮氏は所領を安堵されました。しかしそのわずか7年後、秀吉により突如領地を没収され、ここに宇都宮氏は滅亡しました。
江戸時代に入ると譜代大名が代々、宇都宮城の城主をつとめました。その中で、宇都宮城と城下町を大規模に造り変えたのが本多正純です。本丸には将軍が宿泊する御成御殿おなりごてんが建てられ、将軍が日光に参詣する際には宇都宮城に宿泊したと伝えられています。
宇都宮城は幕末の戊辰戦争のおり焼失してしまい、堀も埋められ土塁も崩されてしまいました。しかし、およそ140年の時を経て、城の一部が江戸時代の姿に忠実に復元されました。
~宇都宮城(宇都宮城址)の歴史や見どころなどを紹介しています~より引用
現代で復元されたため、土塁の内部に展示室があったり、エレベーターが付属していたりと、他の城ではなかなか見ることのできない造りになっている点も興味深いです。
基本情報
城名(別名) | 宇都宮城(亀ヶ岡城) |
---|---|
築城主 | 藤原秀郷もしくは藤原宗円と伝わる |
築城年 | 11世紀 |
カテゴリー | 鎌倉時代 室町時代 江戸時代 安土桃山時代 平城 |
関連項目 | 藤原秀郷 吊り天井 本多正純 水堀 土塁 どうする家康 関東七名城 |
遺構 | 清明台櫓(復元) 富士見櫓(復元) 水堀(復元) 土塁(復元) |
住所(所在地) | 栃木県宇都宮市本丸町1−15 |
構造物 | 櫓(復元)、土塁(復元) |
問い合わせ先 | 宇都宮市役所 都市整備部 公園管理課 管理グループ |
電話番号 | 028-632-2529 |
ポイント
- 主な遺構 :
- 清明台櫓(復元)
- 富士見櫓(復元)
- 水堀(復元)
- 土塁(復元)
- 清明台櫓(復元)
- 宇都宮城本丸の土塁北西部にあった櫓で、清明台のあった部分の土塁はほかの部分よりも高く盛られており、清明台が天守として機能していたのではと考えられています。
- 富士見櫓(復元)
- 宇都宮城本丸の土塁南西部にあった櫓で、江戸時代の絵図には2階建て瓦ぶきで描かれています。
その名の通り、周りに高い建物の無かった江戸時代には遠く富士山まで望めたと考えられています。
- 水堀(復元)
- 復元された水堀です。幅20m,深さ6m以上ある規模の堀です。
江戸時代のものと比べると浅くなっているようです。
- 土塁(復元)
- 復元された土塁で、非常に高さがあり直接登ることは不可能に見えます。
土塁の内部は繰りぬかれており、内部には展示室などもあります。
歴史的背景
宇都宮城の釣天井事件
江戸幕府を開き天下泰平をもたらした徳川家康の腹心としてその覇業を智の面から支え、家康から友と称された本多正信、その絶大な信頼は嫡男の本多正純にも受け継がれ、正純は幕政に重きをなすとともに、北関東の要所である宇都宮城主にも任命されました。正純は宇都宮城を1キロ四方もの広さを誇った堅牢な大城郭に改造しその威容を高めました。
その本多正純が、日光社参のために宇都宮を訪れた2代目将軍秀忠公を、御成御殿のからくり仕掛けの天井で暗殺しようと企てた事件が釣天井事件です。
しかし「釣天井事件」は、家康の死後、幕府内の権力闘争によって江戸幕府創成期の古い権力層が追い落とされていく過程で発生した本多正純の改易と出羽国流罪から創作されたものといわれています。その創作が読物や講談の題材となることで世間に広まり、伝説として人口に膾炙するようになりました。
アクセス
公共交通機関
JR宇都宮駅西口バスターミナル38番のりば
関東バス「市内循環線(きぶな)」で「宇都宮市役所」または「宇都宮城址公園入口」下車
所要15分、片道170円、20分から30分毎運行
路線バス各社、「馬場町」バス停下車、徒歩10分
自家用車
東北自動車道 鹿沼インターチェンジから車で約20分
無料駐車場あり
・市役所東側の城址公園駐車場
・市役所の東第2駐車場
櫓などの歴史建築物と展示施設は、午前9時から午後7時まで(年末年始は休み)
毎週金~日に日没から21時までライトアップを行っているようです。
参考文献・サイト