高崎城たかさきじょう

~交通の要衝に井伊の赤鬼が築いた城~

Shironav Master

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this castle

高崎城は、郭内だけでも5万坪を超える広大な城郭でした。現在は、三の丸外囲の土居と堀、乾櫓、東門が残っています。武器や食料の収蔵庫で、ここから敵に矢や鉄砲を射かれたという乾櫓は、県内に現存する唯一の城郭建築です。
慶長3(1598)年、箕輪城主井伊直政は徳川家康の命令により高崎城を新たに築き箕輪城より移転しました。
高崎城が築かれた場所には、かつて和田氏により和田城が築かれていました。高崎城はこの和田城址を取り込む形で築かれたといわれています。
築城にあたって直政は、当時和田と呼ばれていた地名を「松カ崎」と改めようとし、竜広寺の住職白菴に相談しました。白菴は、諸木には栄枯があることを説き「成功高大」の意味から「高崎」と名づけるように進言し、これが採用されました。「高崎」の地名はこうして誕生したとされます。
築城にあわせて城下町の整備も開始され、箕輪城下より多くの寺院や町が移されました。連雀町や田町はこのとき箕輪より移転した町です。さらに、城下町を囲む形で遠構(とおがまえ)と呼ばれる土塁と堀も築かれました。
井伊直政は在城3年で彦根へ移り、その後しばらくは短期間の間に城主が何人も入れ替わりました。元和5(1619)年には下総国小見川より安藤重信が5万6600石をもって入城し、その後、重長、重博と3代77年間藩主をつとめました。高崎城の完成は、安藤氏3代によるといわれています。

廃藩置県後、乾櫓をはじめとする城内の多くの建物は払い下げられました。さらに、高崎城は陸軍省の管轄となり、兵営や練兵場を建設するために城内は整地され、本丸や二の丸の堀は埋め立てられました。
現在では、三の丸の堀と土塁がわずかに昔の面影をとどめています。
高崎市文化財情報-高崎市ホームページより引用

【目次】
基本情報
縄張図・鳥観図
ポイント
アクセス
参考文献・サイト

基本情報

城名(別名)高崎城(和田城)
築城主井伊直政
築城年慶長3(1598)年
カテゴリー江戸時代 安土桃山時代 平城 
関連項目 井伊直政  土塁 
遺構高崎城乾櫓 高崎城東門 石垣 堀と土塁 横矢掛 
住所(所在地)群馬県高崎市高松町
指定文化財群馬県指定重要文化財(乾櫓)高崎市指定史跡
構造物乾櫓、東門、堀、土塁、石垣
問い合わせ先高崎市役所 観光課
電話番号027-321-1257

縄張図・鳥観図

現地案内板より
城域だけでも5万坪を越える巨大城郭でしたが、その大半は消失し、現在は三の丸付近の堀と土塁が残る程度となっています。

ポイント

主な遺構 :
高崎城乾櫓
高崎城東門
石垣
堀と土塁
横矢掛
高崎城乾櫓
乾櫓はもとは高崎城本丸の北西、戌亥(いぬい)の方角にあった櫓です。
『高崎城大意』によると、「もとこの櫓こけらふきにて櫓作りになし、二階も無く土蔵などの如くなるを、先の城主腰屋根をつけ櫓に取り立て」とあります。
「先の城主」とは7代藩主安藤重博(1657~1695)のことと考えられているので、乾櫓は17世紀末頃に改築されたと推定されています。
明治維新後に払い下げとなり、近郊の農家で納屋として使用されていたものを、昭和52年現在の位置に復元移築しました。
高崎市文化財情報より引用
高崎城東門
東門は、もとは追手門(現在の高松郵便局付近)から南約240メートルにある「出桝形(でますがた)」の北側(現在のシンフォニーロード付近)にあり、通常は扉を開き、城内に出入りする武士や商人などを通行させたいわば通用門でした。
東門も乾櫓と同じように下小鳥町に移築されていたものを、昭和55年現在の場所に復元移築し、高崎市に寄贈されました。
なお、櫻井家旧蔵「高崎城絵図並びに文書」などに描かれた東門とは形状が異なっています。一説に二ノ丸にあった藩主居宅の門であるとも言われます。
高崎市文化財情報より引用
石垣
堀と土塁
高崎城の面影を伝えるお堀は、開花時期には水面に映る桜や花筏が美しく花見の人々で賑わいます。桜の跡を追うように花開くツツジの季節も趣があります。
現在残るのは三の丸外囲の堀です。
本丸や二の丸の堀は兵営や練兵場建設のために埋め立てられました。
横矢掛
東の堀は基本的に一直線に伸びてるんですが、一箇所だけ凸型になって部分があり、お濠端通りを歩いてると4回曲がることになります。
これは横矢枡形といって敵を側面から攻撃するための防御地形になってるんですね。
この部分だけ出っ張っています。
【高崎城】の楽しみ方より引用
乾櫓から南へ向かって歩き、高崎市役所前の信号を渡った先で見ることができます。

アクセス

自家用車
関越自動車道高崎ICより約15分
周辺に有料駐車場有

公共交通機関
JR高崎線高崎駅より徒歩約15分、バス約5分

参考文献・サイト

サイト
高崎市文化財情報
高崎市ホームページ
【高崎城】の楽しみ方

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