岡山城(おかやまじょう)
~不等辺五角形の天守が印象的な烏城~
Parameters of
this castle
今の岡山城付近には旭川の流域に岡山、石山、天神山という3つの丘がありました。その石山にあった城を手に入れて本拠地とし、岡山の地を戦国の表舞台に立たせたのは宇喜多直家でした。その子の秀家は、岡山の丘に本丸を定め、今に残る岡山城を築きました(1597年天守完成という)。江戸時代の文献によると、築城は豊臣秀吉の指導によるものといわれます。さらに、多岐にわたる旭川の河道を利用して、流れを現在のように城の北や東を守るように整えたり、堀づくりに活用し、堀の間に南北に長い城下町をつくりあげました。こうして今に続く中心市街地の原型ができ、岡山の名が、市名、県名となる礎となりました。その後城主となった小早川秀秋、池田氏により城と城下町は、さらに拡張され今に至ります。
~岡山城の歴史~より引用
令和の大改修と銘打たれた工事が実施されていて、天守や不明門の改修から天守内の展示物を歴史家磯田道史氏の監修の元、一新するなどして2022年11月にリニューアルオープンしました。
基本情報
城名(別名) | 岡山城(烏城) |
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築城主 | 宇喜多秀家(近世城郭としての岡山城) |
築城年 | 慶長2年(天守完成) |
カテゴリー | 江戸時代 安土桃山時代 平山城 |
関連項目 | 月見櫓 備前焼 小早川秀秋 宇喜多直家 宇喜多秀家 不等辺五角形の天守 池田光政 石垣 |
遺構 | 天守(外観復元) 月見櫓 不明門(復元) 東側の高石垣 築城当時の石垣 |
住所(所在地) | 岡山県岡山市北区丸の内2丁目3−1 |
指定文化財 | 国の重要文化財(月見櫓、西の丸西手櫓) |
構造物 | 石垣、堀、櫓、天守(外観復元)、城門(外観復元)、土塀(外観復元) |
問い合わせ先 | 岡山城管理事務所 |
電話番号 | 086-225-2096 |
縄張図・鳥観図
現地案内板より
城の北東を流れる旭川を天然の堀とし、南西側には長大な水堀が掘られています。
本丸や中の段の周囲は高さのある石垣によって囲われており、近世城郭として鉄壁の防御を誇ったと推察できます。
ポイント
- 主な遺構 :
- 天守(外観復元)
- 月見櫓
- 不明門(復元)
- 東側の高石垣
- 築城当時の石垣
- 天守(外観復元)
- 岡山城の天守は、豊臣秀吉の大坂城がそうであったといわれるように、外壁は黒塗りの下見板で覆われていて、烏城(うじょう=「う」はカラスの意味)の別名があります。また、発掘によると、宇喜多秀家時代の金箔瓦が出土しており、築城時には、城内の主要な建物の随所に金箔瓦が用いられ、豊臣政権下の有力大名である威厳を示していたことでしょう。これにより金烏城とも呼ばれます。
さらに、天守の石垣や1階の平面が不等辺五角形をしているのも特徴の1つで、土台になった岡山の丘の地盤にあわせたためといわれています。さらに、西側には付櫓として塩蔵が付属し、天守への入口がありました。
天守は明治維新後も残る貴重な存在で、昭和初期には詳細な図面が残されましたが、戦災で焼失しました。しかし、1966年には、往事の姿を偲ばせる天守が再建されました。
~岡山城の歴史~より引用
天守台は宇喜多秀家の時代に積まれた石垣で、こちらも天守1階の形に合わせて不等辺五角形になっており、特徴的です。
- 月見櫓
- 城の北側、旭川を見張るように設置されているのが月見櫓で、こちらは1620年代に池田忠雄が築いたものが現存しており、国の重要文化財に指定されています。
最上階に高欄と廻縁(手すりと縁側)があり、天井板も張られて、月見櫓の名のとおり風格を高めた造りですが、石落も備えられており、築城当時の和戦両様の気風がうかがえます
- 不明門(復元)
- 本丸に上がる入口として防備を高めた大型の城門です。本丸には藩主が暮らす御殿があり、限られた人しか入れませんでした。よってこの門は普段閉ざされ、それが名の起こりとなりました。
この門は明治時代に取り壊されましたが、1966年に外観が再現されています。
- 東側の高石垣
- 宇喜多秀家が築いた石垣の隅部に、小早川秀秋が石垣を継ぎたして直線的に改修した跡が観察できます。秀家は安定性の高い大型の石材を積んでいる(左側)のに対し、秀秋は丸みの強い石材を積んでいます。
~岡山城に行く・集う - 本丸の見どころマップ~より引用
継ぎ目は結構はっきりと見えます。城主の考え方や置かれた状況、時代などによってここまで積み方が変わるのかと思いました。
- 築城当時の石垣
- 発掘調査で見つかった宇喜多秀家が岡山城を築いた時の石垣です。江戸時代の初めに城を改造する時に、この石垣を埋め込んで「中の段」を北に大きく広げたため、地中に埋もれていました。
今から400年あまり前の石垣で、自然の石をほとんど加工せずに用いるのが特徴。30年ほど後に積まれた中の段北側の現役の石垣が新式の割り石を使っているのと異なります。
~岡山城に行く・集う - 本丸の見どころマップ~より引用
廊下門や月見櫓から見て南側に展示スペースがあります。
階段が備え付けられていて、間近で見ることができます。
アクセス
公共交通機関
岡山空港から岡山駅までバスで約30分
JR岡山駅から路面電車東山行き約5分、「城下」下車、徒歩約10分
岡電高屋行き・東山経由西大寺行きバス「県庁前」下車、徒歩約5分
自家用車
岡山ICから東に約20分
駐車場(烏城公園駐車場)
最初の1時間 300円
以後30分につき 100円
8:00~22:00/上限 平日800円、土日祝1,000円
開館時間
9:00~17:30(最終入場 17:00)
入場料
大人【15歳以上】 400円 (320円)
小・中学生 100円 (80円)
未就学児 無料
共通券
岡山後楽園 岡山城天守閣 640円
岡山後楽園 岡山城天守閣 林原美術館 1,040円
岡山後楽園 岡山城天守閣 夢二郷土美術館 1,280円
参考文献・サイト
- 書籍
- 岡山城管理事務所発行 ようこそ岡山へ
- サイト
- 【公式】岡山城ウェブサイト
岡山城(烏城) | 観光スポット - 岡山観光ネット
川面に映える金烏城 ― 岡山城