神岡城かみおかじょう

~飛騨に進出した武田の拠点~

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神岡城は高原川を見下ろす段丘の縁に位置する平山城で西面に崖があり、それ以外の方角には空堀が掘られています。
永禄年間に飛騨まで勢力を伸ばした武田信玄がこの地を治めていた豪族江馬時盛を臣従させ築城を命じました。その際に武田四天王と称された山県昌景が一軍を率いて当地に進駐し、縄張りをしたと言われています。完成後は上杉領である越中攻略の拠点として武田軍が駐屯していたと思われます。
武田家が飛騨から撤退すると江馬氏が接収し高原諏訪城の支城としての役割が与えられていました。天正10年(1582)に甲州征伐で武田氏が滅亡すると織田家に臣従していた江馬氏でしたが、同年に発生した本能寺の変で織田領国が不安定化すると飛騨の覇権をかけて南飛騨を領する三木自綱(姉小路頼綱)と決戦に及びますが敗北し当主江馬輝盛は討死、生き残った江馬氏の一族も飛騨を追放されます。こうして三木氏による飛騨統一がなされ、神岡城も三木氏の支配下に入ったものと思われます。
しかし三木氏は越中の佐々成正と同盟していたため羽柴秀吉から敵視され、秀吉配下の金森長近を中心とした飛騨征伐軍の侵攻を受けるとこれに敗北し飛騨を追放されてしまいました。代って飛騨の国主となった金森長近は家臣の山田小十郎という人物を神岡城の城代としたようです。
慶長20年(1615)に江戸幕府から一国一城令が出されると神岡城は廃城となり空堀や石垣のみ残りました。

【目次】
基本情報
縄張図・鳥観図
ポイント
アクセス
参考文献・サイト

基本情報

城名(別名)神岡城(東町城、沖野城)
築城主江馬時盛
築城年永禄7年(1564)
カテゴリー江戸時代 安土桃山時代 平山城 
関連項目飛騨国 空堀 江馬時盛 山県昌景 武田信玄 模擬天守 石垣 眺望抜群 
遺構模擬天守 空堀 石垣   
住所(所在地)岐阜県飛騨市神岡町城ヶ丘1-1
指定文化財飛騨市指定史跡
構造物模擬天守、模擬櫓門、石垣、空堀、曲輪
問い合わせ先高原郷土館
電話番号0578-82-0253

縄張図・鳥観図

現地案内板より
現在確認できる地形は外堀、内堀と内外の曲輪のみで、規模としてはそこまで大きくなかったのかなと感じました。

ポイント

主な遺構 :
模擬天守
空堀
石垣
模擬天守
独立式望楼型2重3階の天守で、犬山城の天守を模しているそうです。
昭和45年(1970)に神岡鉱山を有している三井金属鉱業神岡鉱業所の創業100周年記念で模擬櫓門と共に建築されました。
古写真から現在天守の建てられている場所には算木積みを伴う石垣があったことが確認されており、廃城前には重層櫓が立っていた可能性が指摘されています。
建物内には鎧、刀剣、馬具などが展示されていて、3階からは神岡の街を眺めることができます。
空堀
内堀、外堀が残っています。
廃城による埋戻しや長い年月を経た結果として浅くなっていると思われますが、形は良く残っていて堀があったことは一目瞭然です。
石垣
堀に沿って配置された石垣や櫓台の土台となっている石垣を見ることができます。
特に崖面の石垣は高さもあり見応えがあります。
昭和期の公園化整備の際に積みなおされた可能性もあるとのことです。

アクセス

自家用車
・高山市街より 国道41・471号経由で約60分
・富山市街より 国道41・471号経由で約60分
・松本方面より 中央道松本ICより国道158号・安房峠道路経由約120分
・飛騨市内より JR飛騨古川駅より車で約30分
無料駐車場あり
↓の看板の反対側にあります(10台程度)

公共交通機関
神岡市は電車が通っていませんので、高山駅、もしくは飛騨古川駅から濃飛バス等をご利用ください。

営業時間:9:00~16:30(入館は16:15まで)

入場料:<個人>大人470円  子供260円 <団体(20人以上>大人410円  子供200円
敷地内にある『神岡城』『鉱山資料館』『旧松葉家』の共通券です。
これらに江馬氏館跡を加えた共通券もあり、さらにお得になりますのでセットでの訪問をおススメします!

参考文献・サイト

書籍
飛騨市山城マップ~江馬編~
サイト
飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」
飛騨 神岡城-城郭放浪記
神岡城
史跡 神岡城

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