今帰仁城なきじんじょう、なきじんぐすく

~琉球独特の歴史・文化を伝える世界遺産~

Shironav Master

Parameters of
this castle

今帰仁城は、琉球が中山に統一される前の「三山鼎立時代」には山北(北山)王の居城とし、また中山が三山を統一後には琉球王府から派遣された監守という役人の居城でした。外郭を含めると7つの郭からなり、その面積は首里城とほぼ同規模で、城を囲む石垣は地形を巧みに利用し曲線を描き、城壁のディテールは美しく、沖縄屈指の名城です。2000年に座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡、園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園、斎場御嶽と共に本村の今帰仁城跡の九つの資産が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産リストに登録されました。
世界遺産・今帰仁城跡~より引用

【目次】
基本情報
縄張図・鳥観図
ポイント
歴史的背景
アクセス
参考文献・サイト

基本情報

城名(別名)今帰仁城(北山城、山北今帰仁城)
築城主湧川王子(英祖王の次男)と伝わる
築城年13世紀頃
カテゴリー鎌倉時代 室町時代 安土桃山時代 山城 
関連項目北山王 琉球国 世界遺産 
遺構石垣 平郎門 志慶真門郭 カウラカー(水の手)  
住所(所在地)沖縄県国頭郡今帰仁村今泊5101
指定文化財世界遺産
構造物石垣、城門、曲輪
問い合わせ先今帰仁村 社会教育課 歴史文化センター
電話番号0980-56-5767

縄張図・鳥観図

現地案内板より
それぞれの見どころが簡単に解説されています。
外国語でも説明があるというのが、さすがは世界遺産といったところでしょうか

ポイント

主な遺構 :
石垣
平郎門
志慶真門郭
カウラカー(水の手)
石垣
世界遺産に登録された他のグスク(首里城、座喜味城、勝連城、中城城)も同様に城壁が石垣で築かれており、この石垣構築技術は中国や朝鮮など大陸からの影響を受けた上で琉球独自に発達させたものとされています。
石垣には石灰岩という石が使われているようです。
平郎門
今帰仁城の「本門」として記された重要な城門でしたが、1900年初めころには大きく崩壊していたようです。戦後の1961年から修理が行われ現在の姿になりました。
志慶真門郭
今帰仁城の山手側にかつて存在した集落の場所であったと伝わります。
この地区は渓谷を利用した天然の要塞で、発掘調査の結果、4棟の建物跡が確認されています。
カウラカー(水の手)
常時水が湧いていたと伝わる場所で、城の貴重な水の手であったことがうかがえます。

歴史的背景

集落を統括していた各地按司(あじ)がまとまっていく過程で、やんばるでは今帰仁(なきじん)グスクへ、中頭(なかがみ)では浦添(うらそえ)グスクへ、島尻(しまじり)では大里(おおざと)グスクや南山(なんざん)グスクへその力が集約されていきます。
今帰仁・浦添・大里(高嶺)の三グスクを中心にまとまった時代が三山鼎立(さんざんていりつ)時代です。三山鼎立時代に至るまでには、大小様々なグスクが割拠(かっきょ)したと考えられ、今も残る遺跡にその痕跡(こんせき)を見ることができます。

『中山世鑑(ちゅうざんせかん)』や『中山世譜(ちゅうざんせふ)』によると「琉球は有史以来統一王統によって統治されてきたが、英祖王統玉城王代の延祐年間(1314年~1320年)に至って国政が乱れ、今帰仁按司と大里按司が離反して山北・南山を形成したため、統一王統は崩れ中山の勢力範囲が限定された」といわれます。その見解は、『北山由来記』や野史(やし)、各地の門中(もんちゅう)の持つ『元祖由来記(がんそゆらいき)』などの背景になっていて、今でも根強く語られる歴史認識となっています。しかし、現在の研究では三山は諸按司(しょあじ)の抗争から形成された小国家であると理解されています。

中国の史書『明実録』に登場する山北の王は、怕尼芝(はにじ)・みん・攀安知(はんあんち)の三王で、各王の交易記録を見ますと琉球国山北王怕尼芝(1383年~1390年)は7年間に6回、琉球国山北王みん(1395年)が1回の交易、琉球国山北王攀安知(1396年~1416年)が19年間に11回の交易を行っています。

交易は時の中国明との間に公的に行われ宝物として冠帯や衣服などの品々を賜りました。三山でも中山は最も数多くの進貢(しんこう)を行うとともに留学生を送り直接中国の学問や政治・社会制度を学ばせ、中国から技術を持った人々を帰化(きか)させるなど、大陸の新しい文化を積極的にとりいれていきました。そのことがやがて他の二つの小国家をしのぐ勢力を築くことになり、琉球を統一する礎(いしずえ)となりました。
今帰仁城の歴史~より引用

アクセス

自家用車
那覇空港から約110km(車で2時間45分)
駐車場は無料(約320台収容)

バス
本部循環線
やんばる急行バス(那覇空港・那覇市内まで乗り換えなしの急行バス)
※今帰仁村字泊今帰仁城趾入口バス停下車徒歩15分

開城時間
今帰仁城趾・今帰仁村歴史文化センター(※両施設統一チケットです)
・通常期間(1~4、9~12月)
午前8時~午後6時(最終入場午後5時30分)
・夏期延長期間(5~8月)
午前8時~午後7時(最終入場午後6時30分)

料金   
大人:600円 団体(10人以上):480円
中高生:450円 団体(10人以上):360円
小学生以下 無料

参考文献・サイト

サイト
世界遺産・今帰仁城跡

この記事をシェアする