猪崎城(いざきじょう)
~福知山地方最大規模の空堀が良く残る山城~
Parameters of
this castle
猪崎城は由良川に面した標高64.9mの城山に築かれており、城の規模は東西150m・南北160mあまりでほぼ円形になっています。空堀様式や曲輪の配置形式から戦国期の中頃に築城され、福知山地方では新しいタイプの中世城郭と考えられています。
築城したのは丹波の国人で横山城主であった塩見頼勝の三男、塩見利勝と言われています。塩見氏は信濃源氏小笠原氏から分かれた庶流であるとされています。
織田信長の命で家臣の明智光秀が丹波に侵攻すると塩見氏は赤井氏や波多野氏に加担して織田家の丹波侵攻に抵抗します。しかし丹波の国人衆は次第に駆逐され、塩見氏の横山城も落城、塩見氏の当主信房らは自害します。対岸の猪崎城にいた利勝の嫡子家利は城に火を放って逃走を図りますが、討ち取られたと伝わっています。
基本情報
城名(別名) | 猪崎城(監物山城) |
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築城主 | 塩見利勝と伝わる |
築城年 | 天文~永禄年間(1532年~1569年) |
カテゴリー | 安土桃山時代 山城 |
遺構 | 空堀 土塁 櫓台 |
住所(所在地) | 京都府福知山市猪崎 |
構造物 | 曲輪、空堀、土塁 |
縄張図・鳥観図
現地案内板より
主要部である本丸を中心に曲輪、土塁、空堀が配されています。
ポイント
- 主な遺構 :
- 空堀
- 土塁
- 櫓台
- 空堀
- 本丸の周囲三方(北、東、南)に配置されており、幅は15mほどになります。
防御側によって通路、武者溜りとしても利用されたと考えられます。
- 土塁
- 本丸から一段下がった周囲に配置されており、高さは0.5m~3.5mほどの高さがあります。
土塁を登った先は空堀となっており、ここを突破するのは容易ではないと感じました。
- 櫓台
- 本丸の北西の隅に櫓台らしき盛土が残っています。
アクセス
自家用車
・福知山城から音無瀬橋経由で約6分
城跡碑や案内板のある遊歩道の入り口付近に駐車スペースあります。
公共交通機関
JR山陰本線・福知山線、京都丹後鉄道宮福線「福知山」駅から徒歩約30分
福知山城からは徒歩約20分です。
猪崎城の本丸からは福知山城天守閣を眺めることができるくらいの距離ですので、福知山城訪問の際にセットで訪れてみてはいかがでしょうか
京都交通のバスでも近くまで行けますが訪問した時(2022年5月)はあまり本数がなかったため使用しませんでした。
参考文献・サイト